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薔薇色のゴリラ(改訂版)

北沢図書出版1995年10月初版発行 \3800
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新しいペイジができたので早速本の紹介を。歌人である塚本邦雄氏のシャンソン体験。これを読まずしてシャンソン入門はできない。最後まで正しく読めばもうシャンソンの世界から抜け出せなくなる筈。

まず圧巻は贔屓の引き倒しのグレコ論。「どだい彼女は40,50と年の功で枯れていきそこに無類の味わいが生まれるような性質の歌手ではないのだ。ピアフの60、パタシューの70なら何らかの期待は持てる。グレコという聖なるカマトト娘は、死を孕んでこの世に現れ、その呪われた冷感症的美学の移ろわぬ間に消えてこそ、初めて感動的だったろう」あまりに言い当てているので無責任だけれど笑い転げてしまった。グレコは確か70代半ばで来日している。私は昔50代にはいったばかりのグレコを聞きにいったがここに書かれた徴候はすでに現れていた。グレコはやっぱりサンジェルマンデプレのグレコ。実存主義者たちのアイドルのグレコであって他の何者でもあり得ない。

この本に勧められてしたことはマリー・デュバとゲンスブールの「Mon Legionnaire」の聞き比べ。別の曲のような仕上がりでGが歌うと、しかもホモのうたになる。先にGを聞いたほうが両方の歌の良さが良くわかる。Mに関してはこの本のおかげで一気に目から鱗もので、そのよさがわかった。Mの曲、どの曲も圧倒的に素晴らしい。

バルバラに関してはプレベールの「バルバラ」を持ち出して詩の本歌取りの命名ではないかと仮想して論を進め、滑って転んでいる。この本唯一のミス。ナントの父を、男と取り扱っているところを見るとバルバラがまだナントの話を公表していない頃に、知識が入ってしまったのかも知れない。私が大昔によんだ 本では、mon pere を嗚呼、神父様、と訳している勘違いものまであった。立ち入った事情を知らないとシャンソンの訳はできない。しかし情報の少ない時代レコードだけで、ここまで書けるのは歌人としての力量のなせる業、に違いない。

特筆すべきは、ピアフの項の「いつかの二人」に関する解説。私はこの曲の大ファンになってしまった。ただピアフではなくミルバのイタリア語版。「Albergo A Ore」時間極めホテル、つまりラヴホテルでのお話である。フランス語のタイトルは「Les Amants d'un jour」歌詞のよさはp53,p54に完璧に文章化されている。ご一読あれ。くどいようだがミルバのイタリア語版をお勧めしたい。ミルバは充分ピアフに対抗できる大歌手だと思う。

最後に一曲だけとなると、フレールの「雀のように」に触れておきたい。本来のシャンソンのエッセンスが詰まっているように思う。どうして日本人歌手がレパートリーに入れないのか不思議で仕方がない。フレールもなかなか捨て置けない。「あの人はどこ?」「ラ・デル・デ・デル」「明日は来らず」などいい曲をたくさん歌っている。
なを巻末には「雀のようにComme un moineau」を含め36曲の歌詞が日仏両語で掲載されている。この本をガイドにシャンソンの世界を充分に堪能していただきたい。
BRUXELLES
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上記の書籍に対して増補改定版(下記詳細)が1996年3月28日北沢図書出版(発行者北沢恵美子)から刊行されているという情報をなまはげ様よりいただきました。

薔薇色のゴリラ特装版 名作シャンソン百花譜  
定価20,000円(限定100部)
四六版・上製布装 著者塚本邦雄の選曲による愛聴曲20曲及び本体未収録の歌詞対訳6曲を掲載したCDブック(布製)付 函入り 著者肉筆識語署名一葉 造本・装丁=関村俊一
100名の方一人一人にお目にかかって、シャンソンに賭ける想いを語っていただきたい気がする。100部とは意表をつく少なさだ。著者の意思のようなものを感じる。
なまはげ様、情報提供有難うございました。(Bruxelles)  

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