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Anne Sylvestre & Marie Chaix (2)

Anne & Marie

姉は戦前1934年に、妹はその8年後、ドイツ支配下の時代に生まれた。現在前者は歌手、後者は作家である。妹のMarie ChaixはBarbaraに請われて秘書になっていたので、このサイトではその声も顔もすでに詳しく紹介している。今回TeleramaのValerie Lehouxがこの二姉妹をゲストに迎え、彼女達の子供時代の閉ざされた胸の内を開かせてゆく。昔Sabineに教えて貰った歌手Anne Sylvestreも上の写真からわかるように現在74歳となっている。前回彼女達の父親がコラボだったと書いたが、コラボとはわかりやすく言えば、対独協力者のことだ。二姉妹そろって、そのことに関して口を開くのは、今回がはじめてである。


Marie Chaixは1974年の初めての出版本「Les Lauriers du lac de Constance」で父について、家族について明らかにしたが、Anne Sylvestreは最近までそのことを公にはしていなかった。


前回にも書いたが、父親はDoriotの右腕で、1944年にドイツに去り、連合軍のフランス解放の後は、例のFresnesの刑務所に収監された。二人には兄Jeanもいたが、父と行動を共にしており、連合軍の爆撃により行方不明になったままだ。
父がドイツに去った1944年、Marieはまだ2歳、Anneは10歳だった。
戦後Fresnesの刑務所に出かけたMarieは父を見て「Bonjour monsieur」と言った。Marieにとっては、鉄格子の向こうにいる人が父で、それ以前の父を知らない。Fresnesに行くことは遠足のような「お出かけ」だった。Anneには父の思い出も、父への愛情もありFresnesがどういう場所であるかも知っており「Fresnes」という言葉さえ、口にしないように注意を払った。8歳の隔たりは大きい。
後年Anneは作詞作曲をし、ギターで弾き語るシャンソン史上二人目の女性歌手となったが(一人目はNicole Louvier)Marieがペンを取るのはずっと遅い。1971年に母が死んでからだ。
毎週電車とバスを乗り継いでFresnesへお出かけしていたことから書き始めた。女友達に見せたら、続きを書くように励まされた。Anneには、勿論見せない。Anneを作品に書き込むわけにもいかないと思った。何も知らない自分の視点でしか書けない。2年間Marieは書き続けた。
最初の資料は父がFresnesで書き留めていたノートだ。母がMarieに与え、長年寝室のテイブルに置いてあったノートだ。それから数ヶ月間は図書館にこもって、書籍や記事やらを読んで、父のノートの確認をとった。最後にAnneに見せたら、Anneから長い手紙が来た。
「どうぞ。出版してかまいません。ひとつだけ、著者が私の妹だと言うことは言わないで下さい」と。
Anneは妹のすることに反対はしなかった。妹にはそうする権利も理由もある。その上Anneは歴史に弱く理解が及ばないから、自分には書けないのがわかっていた。子供の頃から言われていた。「政治に関わるな。政治が私達を不幸にしている」と。
AnneにはMarieのようにその問題をテーマにして書く能力はない。何も知らないMarieは父のしたこと、家族の状況を知るために資料を調べるが、Anneはその時代を生き、体験し、実はその後の世の中の心情も理解できているのだ。より深く。
、だから出版は容認したけれど、妹の本を見てAnneは恐怖に戦いた。パニックに陥った。自分の正体が暴かれるのではないかと感じた。Anneには思い出がある。心を許して告白した男の子に「僕は祖国を愛している」と言って捨てられた経験だ。それまで隠し遂せると思っていた自分がどんなに馬鹿だったことか。Marieと姉妹であることだけは、絶対に知られてはいけない。Anneは兄Jeanがいなくなったことに涙する権利もなかった。
子供にまで罪を着せるのは正しくない。がしかし、そう思うのが不当だとも思えない。戦争の被害者が苦しみ続ける限り、自分達は罪人であり続ける。Anneは、その思いから抜け出ることが出来ない。


上の写真をよく見よう。二人の表情が二人が過ごした戦後60数年間を物語っているように感じないだろうか。
・・・・・(続く)・・・・・

参照:Telerama : Valerie Lehoux

この記事はCorrespondances(2008年7月29日)からこちらに移転したものです。

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